「父親の一人暮らしがかわいそう」と感じていつも心の片隅に引っかかっていますよね。
日本の社会では高齢者の独居生活者が増加しています。
2015年のデータでは、65歳以上の高齢者で独居する割合が
- 男性13.3%
- 女性21.1%
に上っています。
高齢者の独居にはリスクが多く、特に男性は昔から家事に関わらず仕事中心の生活をしていたため、独居生活が困難になることもあるでしょう。
この記事では、そんな父親の一人暮らしがかわいそうと思うあなたに、高齢者の独居生活における課題と対策を紹介します。
目次
一人暮らし高齢者の生活の継続はいかに？リスクと解決策
少子高齢化が進行中の日本で、独居する高齢者の数が増加しています。
高齢者の独居の基準は、「健康寿命」によって決まることが多いでしょう。
健康寿命とは、人々が健康な状態で生活できる期間を指す指標です。
これは、単に長生きすることだけではなく、身体的、精神的に自立して活動できる状態でいられる時間を意味します。
2019年の厚生労働省の調査では、その健康寿命は
- 男性が72.68歳
- 女性が75.38歳
とされています。
高齢者の一人暮らしには以下のようなリスクが考えられます。
独居リスク①：病気や怪我の対応遅延
2014年の内閣府の調査によると、高齢者が日常生活で不安に感じることの多くは「健康・病気」で、その割合は58.9%です。
歳を取ると、病気にかかりやすくなったり、転倒して怪我をしたりするリスクが増えます。
独居の高齢者は、病気や怪我の対応が遅れる可能性があります。
駆け付けサービスなどの利用も有効です。
見守りサービスなどについていくつか提案していますのでよかったらご覧くださいね。
独居リスク②：生活水準の低下
歳をとると体力や認知機能の低下が避けられません。
独居だと日常生活を誰かに手伝ってもらえず、
- 介助なしでお風呂に入れない
- 食事を取らない
- 同じものばかり食べる
- 同じ服ばかり着る
といった生活の質の低下が起こりがちです。
自分ためだけに凝った食事を作ったりするのは億劫になりがちです。
その結果、低栄養になってしまうこともあります。
独居リスク③：災害時の対応困難
日本では地震や台風などの自然災害が多く、心配が絶えません。
災害時には安否確認や避難所への移動が必要ですが、独居の高齢者はこれらに対応できないことがあります。
スマホなどが使えない高齢者も多く、情報難民になりがちです。
独居リスク④：生きがいの欠如
独居の高齢者は、同居している高齢者に比べて他者との会話の頻度が低いです。
人との関わりが少ないと生きがいを感じにくくなります。
どんな小さなことでも任せられた仕事があり、人に必要とされることは生きがいとなります。
独居リスク⑤：もしものとき
認知機能の低下や体調の異変により、助けが必要となることがあります。
これらのリスクには、
- こまめに連絡を取る
- 定期的に自宅を訪れ状況確認する
- 近くに住んで見守る
- ヘルパーを利用する
- 見守りグッズを整える（詳細記事：「離れた親の見守りグッズ！高齢者の安否確認」）
などの対策が有効です。
父親の一人暮らしがかわいそうと思う理由
父親の一人暮らしがかわいそうと感じるのは、父親がこれまで身の回りの世話を奥さんや誰かにしてもらっていたからなのでしょう。
男性高齢者の独居割合は女性に比べて低めです。
高齢の父親の独居は、家事やコミュニケーションの心配から女性よりも同情を引きやすいです。
高齢者の独居が始まるタイミングで、同居を選択する家族も多いです。
そんな中でも料理が趣味になったり、サロンなどで仲間を見つけたりして生き生き過ごしている男性もいます。
もしかしたらこちらが思うほど父親自身は一人暮らしを悲観していなくて、かわいそうではない場合もあるかもしれません。
父親の一人暮らしがかわいそうと感じる場合の対処法
父親の一人暮らしがかわいそうに思える場合の対処法としては、
- 同居する
- 近くに住んで見守る
- 老人ホームに入居する
などがあります。
それぞれのメリットとデメリットを検討しましょう。
高齢者の一人暮らし対策：選択肢とそれぞれの利点と欠点
一人暮らしをしている高齢者に対するさまざまな対策を、それぞれのメリットとデメリットと共に見ていきましょう。
①同居（自分が実家に戻るか、父親を自分の家に迎える）
最も直接的な方法は、家族との同居です。
同じ屋根の下にいることで、健康状態の変化に気付きやすく、孤独感を軽減できます。
しかし、異なる生活習慣や食事の好みによる摩擦の可能性もあります。
特に、子供がいる家庭では、世代間の価値観の違いによるストレスが発生する恐れがあります。
また、独立した生活を長くしていた家族が同居を始める場合、生活の調和を取るのが難しい場合があります。
②近隣に居住（高齢者専用住宅や賃貸アパートの利用）
同居が難しい場合、近くに住むことを選択する方法もあります。
最近では、シニア向けの住宅が増えており、日常生活のサポートや安否確認などのサービスを受けられます。
この方法は、同居するほどではないが定期的な交流が可能で、互いの生活スタイルを尊重できる点がメリットです。
ただし、この選択には、家賃の二重払い、選択肢の限られた住宅の数、身元保証人の必要性などがデメリットとして挙げられます。
③老人ホームの利用
家族との同居や近隣居住が難しい場合、老人ホームの利用が考えられます。
健康状態や自立度に応じて選べる施設があり、日常生活の支援やレクリエーション設備の利用が可能です。
家族が近くにいなくても、専門スタッフが常にサポートを提供します。
しかし、費用が高額であり、健康状態によっては途中で退去する必要が出てくる可能性がある点がデメリットです。
また、施設のルールによる生活の制限がストレスとなることもあります。
父親の一人暮らしがかわいそう まとめ
「父親の一人暮らしがかわいそう」と思っても、最終的に重要なのは、高齢者本人の希望です。
こちらが思っているほど本人は「かわいそう」と感じていない場合もあります。
「父親の一人暮らしがかわいそう」と気に掛けるあなたの心も心配です。
一度きちんと話し合ってみることが大事ですね。
家族で十分に話し合い、最適な生活様式を見極めましょう。