一般的に、電子レンジでの食品加熱にはラップを使用します。
しかし、うっかり電子レンジでアルミニウムを加熱してしまうことがあります。
電子レンジで使うラップのアルミホイルでの代用はどのような結果を招くのでしょうか?
この記事では、電子レンジでアルミホイルを使用する際のリスクと、安全な使用方法に関するヒントを提供します。
長期休みで電子レンジを使う可能性のあるお子さんへの注意事項としても参考になると思います。
目次
電子レンジでアルミホイルは使える?避けるべき?
電子レンジでアルミホイルは使えるかの答えはNOです!
電子レンジでのアルミホイルの使用が推奨されない理由は何でしょうか?
これは電子レンジが食品を加熱する仕組みに起因しています。
電子レンジがどのように機能するかを理解すれば、アルミホイルの使用に伴うリスクが明らかになります。
電子レンジは「マイクロ波」と呼ばれる電磁波を発生させ、食品中の水分子を振動させることで摩擦熱を発生させ、食品を加熱します。
しかし、金属にマイクロ波が当たると、電流が生じ、危険な状況を引き起こします!
アルミホイルはアルミニウム製の「金属箔」であり、表面には多くの電子が存在します。
マイクロ波が当たると、これらの電子が活発に動き、アルミホイルのしわや尖った部分から放電し、火花が生じることがあります。
さらに、金属は電波を反射する性質を持っており、アルミホイルが存在することで電波の放出が増加し、オーブン内の温度が上昇し故障の原因となります。
電子レンジでアルミホイルが使えるといいのですが、以上の理由で不可なのです。
もう少し詳しく説明しますね。
電子レンジでのアルミホイル使用の危険性
電子レンジでのアルミホイルの使用は極めて危険です!
アルミホイルは金属性を持ち、電子レンジでの金属使用は火花の発生、火災リスク、さらには電子レンジ自体へのダメージを引き起こす可能性があります。
電子レンジでアルミホイル使用がもたらす問題点は次のとおりです。
火花発生とアーク放電
アルミホイルが電磁波を集めることにより、火花やアーク放電(電気アーク)が発生する恐れがあります。
これは電子レンジ内の他の可燃物に着火し、火事を起こす危険があります。
小さなアルミホイルが大きな危険の元になります。
知っていると知らないとでは大違いです。
電子レンジへのダメージ
金属は電子レンジ内のマグネトロン(電磁波を生み出す部分)に損害を与えることがあり、故障して修理が必要になることもあります。
最悪の場合、新しい電子レンジの購入が必要になることもあります。
これは大きな出費になりますので避けたいですね。
不均一な食品加熱
アルミホイルが電磁波を反射することで、食品が均一に加熱されず、一部が冷たいまま、または過熱することがあります。
過熱された部分は、なんとなく焦げ臭くなることも。
不均一で再加熱する場合には、必ずアルミホイルは取り除きましょう。
電子レンジでアルミホイルを使うことには、以上のような問題点があります。
何よりも安全の観点から、電子レンジでアルミホイルを使用することは避けるべきです。
電子レンジで食品を加熱する際には、電子レンジ専用に設計された容器やカバーを使用することが望ましいですね。
電子レンジにアルミホイルを入れてしまった際の対応策
万一、電子レンジにアルミホイルを入れてしまった場合には、以下の手順で対処してください。
- 電子レンジの即時停止:問題を認識したらすぐに電子レンジを停止させます。これにより、損傷や火災のリスクを最小限に抑えられます。
- 電源の遮断:安全を確保するため、電子レンジの電源を切り、プラグをコンセントから抜きます。
- 扉はすぐには開けない:電子レンジの扉は直ちに開けず、数分間待ってから開けます。これにより、内部の火花や熱が落ち着く時間を確保でき、酸素の流入による火の増大を防ぎます。
- 慎重な取り扱い:アルミホイルや加熱された食品を電子レンジから取り出す際は、火傷を避けるためにオーブン用手袋や鍋つかみを使用してください。
- 電子レンジの検査:内部を確認し、火花や煙、異臭がないかチェックしてください。内部が冷えた後、清掃を行い、損傷が見られる場合は修理のために専門家に相談してください。
- 再使用前の検証:電子レンジに損傷が見当たらない場合でも、再使用する前に機能チェック(例えば水を入れたカップを数分間加熱してみるなど)を行い、正常に機能するか確認してください。
- 予防措置:今後は金属やアルミホイルを電子レンジで使用しないようにし、電子レンジの使用説明書の指示に従ってください。
- 緊急事態の対応:電子レンジから煙や異臭が発生した場合は、直ちに消防署に連絡(119番)し、専門家の助けを求めてください。火が消えない場合は消火器の使用を検討し、必要に応じて消防署に連絡してください。
常に安全を最優先させましょう!
電子レンジで加熱できない注意すべきアイテム
電子レンジで加熱できないものはアルミホイルだけではありません。
他のアイテムにも注意が必要です。
知らず知らずのうちに電子レンジ内に置いてしまう可能性のある物品をいくつか紹介します。
電子レンジ加熱時のお弁当のおかずカップ
お弁当を電子レンジで温める際に注意が必要なのが「アルミ製のおかずカップ」です。
お弁当箱が電子レンジ対応であっても、銀色のおかずカップはアルミホイルと同じくアルミニウムを含んでいます。
これらのカップは水分に強く、他の食品に匂いが移りにくいメリットがありますが、電子レンジで加熱すると火花が飛んだり、火災の危険があります。
アルミ製のおかずカップが含まれている場合は、温める前に取り除くことが重要です。
その他の金属製品
電子レンジ内で金属を使用することは極めて危険です。
金属製品は電磁波を集中させ、火花や電気アークを引き起こす可能性があります。
これらの火花は電子レンジ内の可燃物に引火し、火災を引き起こすリスクがあります。
また、集中した電磁波は電子レンジの部品に損傷を与え、修理費用や新しい電子レンジの購入が必要になることもあります。
安全を確保するためには、メーカーが推奨する安全な材料の使用ガイドラインに従ってください。
スプーンやフォークなどの金属製品にも注意が必要です。
パッケージが金属製のレトルト食品や缶
冷凍食品やレトルト食品のパッケージにも注意が必要です。
電子レンジで調理できるタイプのものもありますが、多くは非対応です。
湯せんであたためたり、別容器に移して電子レンジで加熱のものがほとんどです。
電子レンジ対応のマークがない場合は、パッケージの裏面に記載された調理方法に従ってください。
電子レンジ非対応の袋は、アルミニウムを含むアルミパッケージであり、そのまま電子レンジに入れると火災の原因になり得ます。
缶コーヒーなどの缶も金属です。
直接電子レンジで温めることはできないので注意してくださいね。
インスタントカップ麺の容器
多くのインスタントカップ麺は熱湯を注いで調理するものですが、フタの裏側には保温性を高めるアルミが使用されていることがあります。
電子レンジ対応でない限り、電子レンジでの調理は避けるべきです。
電子レンジ対応の表示がある場合のみ電子レンジで調理が可能です。
調理方法に電子レンジが含まれていない場合は、容器ごと加熱することはできません。
電子レンジを使用する必要がある場合は、対応の容器に移してから加熱してください。
プラスチックや木製の食器
電子レンジでプラスチックや木製の食器を加熱する際には注意が必要です。
プラスチック製の食器
全てのプラスチック製食器が電子レンジ対応ではないため、使用前に確認が必要です。
非対応のプラスチック製品を使用すると、高温で有害な化学物質が放出されたり、変形や溶解が起こる可能性があります。
木製の食器
木製の食器は一般的に電子レンジに適しておらず、加熱により変形や割れが生じるリスクがあります。
乾燥した木製品は高温で発火する恐れもあります。
木製というとお味噌汁に使うお椀が頭に浮かびますが、塗り物がしてある食器も塗り物が溶け出す場合があるので電子レンジでの加熱は避けましょう。
このように安全を確保するためにはガラスやセラミックなどの適切な容器を選ぶことが重要です。
たとえセラミックの食器でも、装飾で金属が部分的に使われているものもあります。
一部分なので危険というほどではありませんが、加熱の際に「バチバチ」と音がするのでなんとなく怖いです。
不確かな場合は、安全な食器を使用することをお勧めします。
電子レンジでもアルミホイルが使える機能
電子レンジは様々な機能を持つものがあり、その中にはアルミホイルを使用できる機能も含まれています。
通常の加熱機能では電子レンジでアルミホイルの使用は避けるべきですが、マイクロ波を放出しない他の機能では大丈夫な場合があります。
アルミホイルを安全に使用できる電子レンジの機能を以下に紹介します。
オーブン機能
電子レンジに搭載されている「オーブン機能」では、ヒーターや電熱線が食品を直接加熱するため、アルミホイルを使用することが可能です。
マイクロ波が発生しないため、火花の危険がありません。
ただし、アルミホイルの耐熱温度を確認し、電子レンジのオーブン機能の温度設定がアルミホイルの耐熱温度を超えないように注意が必要です。
トースター機能
電子レンジの「トースター機能」を利用する際も、アルミホイルの使用が可能です。
この機能はヒーターや電熱線でパンなどを焼くため、火花が発生する心配はありません。
アルミホイルを利用することで、パンくずや溶けたチーズなどの食材が受け皿に付着しにくくなり、清掃が容易になります。
解凍機能
電子レンジの「解凍機能」では、低いマイクロ波出力で食材をゆっくりと加熱するため、アルミホイルを部分的に使用することが可能です。
例えば、肉や魚の薄い部分をアルミホイルで覆うことで、均一な加熱を促し、過加熱を防ぐことができます。
ただし、電子レンジの内部の壁やドアにアルミホイルが接触しないように注意が必要です。
電子レンジでのアルミホイル使用には注意を のまとめ
電子レンジは便利な調理器具ですが、アルミホイルなどの金属材料の使用には細心の注意が必要です。
特に、通常の加熱機能を使用する際には、金属材料の使用を避けることで、故障や火花の危険を防ぐことができます。
火災を引き起こす可能性もあるため、市販の食品を加熱する際は、パッケージに記載されている調理手順に従うことが重要です。
正しい使い方で安全に電子レンジを利用しましょう。