ここでは、鏡開き、すなわち鏡餅を開く際の具体的な手順について詳しく解説します。
鏡餅は神様の依り代とされ、そのエネルギーを受け取るという大切な意味を持っています。
鏡開きに必要なものは、タオル、新聞紙、木槌(金槌でも可)、そして濡れ布巾です。
これらを用意すれば、鏡開きを行うことができます。
順番に説明しますね。
①鏡餅を下げる
最初のステップは鏡餅を下げることです。
鏡餅を下げる際は、神様の依り代を降ろすという意味合いを持つため、無造作に扱うのは避けましょう。
感謝の気持ちを込めて丁寧に取り下げることが重要です。
②鏡餅の清掃
鏡開きまでの期間は地域によって異なります。
例えば京都では1月4日に行われることが多いため、鏡餅があまり汚れることはありませんが、関西地方では1月20日に行う場所もあり、鏡餅が汚れることがあります。
そのため、鏡餅の表面についたほこりやカビを、固く絞った濡れ布巾で丁寧に拭き取りましょう。
カビが生えている場合は、表面だけでなく、内部にまでカビが広がっている可能性があるため、約3cm程度の深さまで取り除くことが推奨されます。
カビの種類によっては、有害なものも含まれていることがあるため、カビが生えている部分は食べない方が安全です。
例えば、コウジカビの中には有益なものもありますが、有毒なアフラトキシンを含む種もあるため、一概に安全とは言えません。
③鏡餅を開く
鏡餅を開く方法は、木槌や金槌を使って叩くことです。
乾燥している鏡餅は力を入れて叩くときれいに割れますが、飛び散る恐れもあるため、新聞紙やタオルを敷いて行うことが望ましいです。
徐々に叩いて割れ目を作り、その後力強く叩くと割りやすくなります。
包丁で切ってはいけませんよ!
鏡開きの木槌の意義
鏡開きでは、年神様の依り代とされた鏡餅を木槌や手で開きます。
これは古くからの武家の慣習に由来し、刃物を使用することが忌避されるためです。
開いた鏡餅はさらに手で小さく分けて食べます。
手で分ける方法
鏡餅を手で分けたい場合、まずは鏡餅を柔らかくすることが重要です。
鏡餅を水に浸してから、ラップで包んで電子レンジで温めます。
手で分ける際はやけどに注意しましょう。
硬い鏡餅を柔らかくするコツ
硬くなった鏡餅を柔らかくするには、水に浸し、その後ラップで包んで電子レンジで温める方法があります。
これにより、鏡餅は非常に柔らかくなります。
ラップで包む際は、ラップに包んで電子レンジに入れることが良いでしょう。
お正月の三が日を過ぎた鏡餅を柔らかくする方法として、フライパンを使用し、サラダ油を薄く引いてお餅を焼く方法があります。
この方法で、水を加えることでさらに柔らかくなります。
この方法を使えば、硬くなった鏡餅も再び美味しくいただけます。
フライパンを使って、サラダ油を引いて鏡餅を焼く方法もあります。
焼いた後に水を加えてさらに柔らかくすることで、硬くなった鏡餅を再び美味しく食べることができます。
非常に硬い場合は、焼く前に一晩水に浸すことで柔らかくなりますよ。
鏡開きのタイミングはいつ?
鏡開きの時期は地方によって異なります。
通常は1月11日が基本ですが、関西地方では15日か20日、京都や近畿の一部では4日です。
松の内が終わる日によって、鏡開きの日付も以下のように異なります。
鏡開きの日 松の内終了日 地域 1月11日 1月7日 東日本、九州など 1月15日または20日 1月15日 関西地方など 1月4日 1月15日 京都府、近隣地域 鏡開きが11日に定められたのは、江戸時代の火事対策や徳川家光の命日が4月20日だったことから、縁起を避ける意味で小正月を11日に短縮したという説があります。
京都などではお正月の三が日が終わるとすぐに鏡開きを行う風習があり、カビが生える前に実施できます。
九州では1月7日の夜、大宰府天満宮での「鬼すべ」や久留米市の大善寺垂宮での「鬼夜」などの祭事が行われ、これらがお正月の終わりと見なされ、鏡開きが11日になるとされています。
移住や引っ越しをした際は、その地域の風習に合わせて鏡開きのタイミングを確認すると良いでしょう。
真空パックされた鏡餅の開き方
近年、小さい切り餅や丸餅が真空パックにされることが増えています。
特に大きめの餅が真空パックされている場合、開き方に少し工夫が必要です。真空パックされた餅は湿気を含んでいるため、叩いても簡単には割れません。
このような場合、まずは真空パックごと熱湯に入れて約10分間放置します。これにより、餅が柔らかくなります。
柔らかくなった餅はシールを剥がして取り出し、必要に応じてさらに細かくちぎることができます。
もしまだ柔らかくない場合は、ラップをして電子レンジで温めると良いでしょう。ただし、温めた餅は非常に熱くなるので、取り扱いには注意が必要です。
鏡餅を美味しく食べる方法
鏡餅を食べる方法は多様ですので、好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
多くはお汁粉やお雑煮に使用されますが、かき餅や肉巻きなど、さまざまなレシピがあります。
お汁粉やお雑煮は一般的な鏡餅の食べ方ですが、特におすすめなのがかき餅です。
かき餅にする場合は、餅を約1cm厚さに切ります。
それから、フライパンに油を約2cmの深さまで入れ、餅がくっつかないように注意しながら揚げます。
お餅が密集しすぎるとくっつくので、適度な間隔を空けてください。
揚げた餅にお醤油をかけて完成です。
肉巻き餅を作る場合は、餅を1cm幅に切り、肉で巻いた後に小麦粉をまぶして焼きます。
外側に焼き色がついたら、少量の水を加えて蒸し焼きにします。
味付けはお醤油や砂糖で調整してください。
お汁粉の作り方
- 材料:小豆300g、水1200ml、砂糖200〜300g、塩小さじ1/2。
- 小豆の下ごしらえ:熱湯で小豆をゆで、浮いた豆を取り除くことで、硬くて味が劣る豆を除去します。
- 煮方:弱火で30分煮た後、ゆで汁を捨てて再度水を加え30分煮ます。柔らかくなったら砂糖と塩を加えて調味します。
- 砂糖は豆が柔らかくなってから加えること。早く加えると、豆が硬くなります。
- 完成:餅を器に入れ、上からお汁粉を注ぎます。甘さは好みで調整します。
お雑煮の作り方
お雑煮のレシピは地方によって異なりますが、今回は基本的でシンプルなお雑煮の作り方を紹介します。
【材料(4人分)】 ・お餅 4個 ・だし汁 800ml(市販のだしの素、昆布やかつお節から取るなど) ・鶏肉 100g(適当なサイズに切る) ・野菜(例:白菜、ネギ、人参など、お好みで) ・しょうゆ 適量(味の調整用) ・塩 適量(味の調整用) ・みりん 適量(好みで) ・ゆずの皮や柚子胡椒(仕上げに、お好みで)
【作り方】
- だしを取る:だし汁を鍋に入れて温めます。市販のだしの素を使用する場合は、パッケージの指示に従ってください。
- 鶏肉を煮る:だし汁が温まったら鶏肉を入れ、中火で煮ます。
- 野菜を加える:鶏肉がほぼ煮えたら、切った野菜を加えて柔らかくなるまで煮ます。
- 調味料で味付け:しょうゆ、塩、みりんで味を整えます。味が濃い場合は、だし汁や水で薄めてください。
- お餅を焼く:別のフライパンやオーブントースターでお餅を焼きます。表面に少し焦げ目がつくまで焼くと香ばしくなります。
- 盛り付け:焼いたお餅をどんぶりやお椀に入れ、その上から煮た具材とだし汁を注ぎます。
- 仕上げ:ゆずの皮や柚子胡椒を少し加えると、風味が増して美味しくなります。
【ポイント】
・地方によって具材や調味料が異なることがあります。例えば関西では白味噌を使ったり、他地域では小松菜やかまぼこを加えることがあります。
・お餅は焼き過ぎると硬くなるため、注意が必要です。
・だしの味がお雑煮の決め手です。時間があれば、昆布とかつお節から自家製だしを取ると更に美味しくなります。
・シンプルながらも具材の味が生きるお雑煮は、新年の食卓を温かく彩る一品です。
揚げ餅の作り方
電子レンジを使用して油を使わずにおかきを作る方法です。これにより、ヘルシーなおかきが簡単にできます。
フライパンを使わずに、レンジでサクサクと美味しい揚げ餅を作ることができます。
【材料】 ・お餅 数個(お好みで量を調整) ・醤油 適量(お好みで) ・海苔 適量(お好みで、細かく切る)
【作り方】
- お餅を小さくする:お餅を一口大の大きさにします。
- レンジで加熱:切ったお餅を耐熱皿に並べ、ラップをせずに600Wのレンジで約1分加熱します。
- ひっくり返す:一度取り出して、お餅を裏返し、さらに30秒〜1分加熱します。
- 醤油をかける:加熱したお餅に醤油を軽く塗り、さらに30秒ほど加熱します。醤油が香ばしくなります。
- 海苔をまぶす:最後に細かく切った海苔をお餅にまぶします。
【ポイント】
・加熱時間はお餅の大きさやレンジの機種によって調整してください。
・お餅は加熱しすぎると硬くなるので注意してください。
・醤油をかけることで、香ばしさが増し、風味豊かな揚げ餅になります。
・海苔をまぶすことで、味に深みが出ます。
このレシピで、簡単にレンジだけで美味しい揚げ餅を楽しむことができます。お正月やおやつにぴったりの一品です。
鏡餅のカビ取り方法
カビの拭き取り方
鏡餅の表面に生えたカビは、湿らせたキッチンペーパーや布でそっと拭き取ります。ペーパーが十分に湿っていることがカギです。
乾いたペーパーを使用すると、カビの胞子が舞い上がる恐れがあるため、湿らせたものを使うのが良いでしょう。激しくこする必要はなく、軽く拭くだけで十分です。
次に行うのは、水を汚さずに済むよう準備することです。
一晩水に浸す
はじめに、ボウルに水を満たし、鏡餅を完全に浸します。その後、一晩そのままにします。
これにより、鏡餅の表面が柔らかくなり、カビを簡単に取り除けるようになります。かつてこの方法は「水餅」として知られ、大きな桶や樽で鏡餅を保存するのに使用されました。
この方法は、空気中のカビ胞子から鏡餅を守るための古典的な保存法です。ただし、この方法だけでは鏡餅の中心部はまだ柔らかくならないことがあります。また、すぐに食べたい場合は、もっと手軽な方法も試すことができます。
電子レンジでの加熱
湿らせた鏡餅を皿に置き、ラップをかけて電子レンジで加熱します。加熱時間は鏡餅の大きさによりますが、約20秒から30秒程度です。加熱しすぎると鏡餅が柔らか過ぎて扱いにくくなるので、適度な硬さに注意しましょう。
特に、レンジ内でカビが広がらないように注意することが重要です。
鏡開きでやってはいけないこと・やり方のまとめ
今回は鏡開きの方法について詳しく解説しました。
鏡開きには昔からの風習が関わっていますが、包丁を使ってはいけないというルールにはそれほど固執する必要はないでしょう。
鏡開きにはやってはいけないこともありますが最終的には料理で使うことになりますから、風習は実情に合わせて柔軟に解釈し、自分に都合の良い方法を取り入れましょう。